ミネラルは、五大栄養素の一つであるにも関わらず、ビタミンなどに比べると着目されることは少なく、必須量も微量であることから重要性を伝えられることがありませんでした。
ミネラルについては、微量元素である砒素(ひそ)や水銀、カドミウムなどが過剰に体内に入ることで中毒をおこす、という危険なイメージが強いですが、さまざまな微量元素が体内で栄養素として働いているということは、あまり知られていません。
ミネラル不足については、鉄不足で貧血、カルシウム不足で骨粗しょう症、亜鉛不足で味覚障害など、単一でのミネラル不足についての情報はよく知られています。
しかし、ミネラルにはそれぞれの役割と相互作用があります。
鉄欠乏であるからといって、鉄剤や鉄のサプリメントだけを摂取しても、なかなか鉄欠乏は改善されません。
貧血の原因は鉄だけではなく、銅との関係も深く、銅が不足しても鉄分の吸収や、ヘモグロビンの生成がうまくいかなくなり貧血になってしまう、といわれています。
鉄は、ビタミンCと一緒に摂ることで吸収されやすくなるといわれますが、逆に鉄を過剰に摂りすぎると競合的に亜鉛の吸収が低下するので、亜鉛欠乏症を招く恐れがあるといわれています。
そして亜鉛が欠乏したからと亜鉛を過剰摂取すると、今度は銅の吸収を低下させるので、銅欠乏の危険性がある、といわれています。
このように、それぞれミネラルを単一だけで考えるのではなく、バランスよく補充する必要がある、ということがわかります。
では、ミネラルをバランスよく摂取するにはどうすればよいでしょうか。
50年以上前まで栽培されていた野菜や穀物は、自然な環境の土壌で育てられたミネラル豊富な食材でした。
しかし現代になり、農薬や化学肥料を使用し始め、また大気汚染や酸性雨など、環境の変化によって、土壌のミネラルバランスが崩れているといわれています。
無農薬・自然栽培されたミネラル豊富な野菜や穀物を手に入れ、日常的に摂取することは容易ではありません。
特に、働き盛りの方や子育てで忙しい方に限って、冷凍食品やお弁当などで済ませる家庭も多いのではないかと思います。
ミネラルを補充するためには、ミネラル豊富な食材を毎日食卓で摂取すること、その他の方法としては、バランスよくミネラルが含まれたサプリメントなどを摂ることが簡単に補充できる方法といえるでしょう。
私たちは、さまざまな栄養素が体内で働き、そのおかげで健康を維持していくことができています。
栄養素の中でも、微量ながら生命維持に欠かせないミネラルに着目し、生体ミネラルは微量元素がバランスよく豊富に含まれていることから、ミネラルの栄養素を補充する方法の一つとして、当NPOでは推奨しています。
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